お子さんの矯正治療について

 

子供の矯正はいつからした方がよいのでしょうか?という質問をよく聞かれます。

矯正は子供のころからする矯正と大人になって(永久歯に生え替わって)からする矯正と大きく二つに分かれます。

子供からする矯正と大人の矯正、どちらもメリットデメリットがあるのでそれらを理解してももらった上でどちらにするか考えてもらったほうがいいと思います。

 まず子供の矯正治療ですが、適応時期は上下の前歯が4本それぞれ生えたくらいが一番よい時期です。それより前に相談されるのはいいですが、後になった場合は永久歯に生え替わってからのほうがよいことがありますので、だいたい小学校2年〜4年生が一番よい時期です。そして子供の矯正は床矯正という取り外しの矯正装置をつけます。基本的に食事以外ずっとつけてもらう治療なので本人がきちんと自分で管理し、長時間つける意識がないと治りません。また、治療はだいたい、永久歯に生え替わるまでが期間なので3〜4年かかります。また、床矯正の治療で治らない場合、床矯正の追加やその後部分ワイヤー矯正治療など、後から追加で治療費が追加されることがあります。

 一方永久歯が生えてからする成人矯正治療は全顎ワイヤー矯正治療なので、2年〜3年で治療が終わります。追加治療などはありません。永久歯に生え替わってからするので、早くて6年生くらいから行います。しかし、治療費は子供の矯正より多くかかります。

これらをまとめると

子供の矯正治療の利点

1 治療費が大人の矯正よりも安く済む

2.永久歯に生え替わるまでの治療が終わる可能性がある

3.抜歯をせずに歯を並べられる可能性がある

子供の矯正治療の欠点

1.治療期間が小学2,3年生ら5,6年生まで3,4年間かかる

2.床矯正は取り外し式なので、本人が装着を管理しないと効果がない

3.永久歯が生える方向が悪かったりした場合、成人矯正が必要な場合がある

4.奥歯のかみ合わせは直せないことが多い


成人矯正治療の利点

1.奥歯のかみ合わせまで直すことが可能

2.2年〜3年で治る

3.成長が止まってから治療を行うので治りが予測しやすい

成人矯正治療の欠点

1.治療が高い

2.小臼歯を抜歯しないと矯正できない場合がある

3.成長が止まるまで治療開始を待たないといけない

床矯正開始 2年生から


右上、右下の歯が重なり

生える隙間がないのが分かります

開始4か月


少しずつ床矯正開いて

顎が広がってきています

開始12か月



開始16か月


前歯に隙間が空いてきています

顎が広がっている証拠です



開始24か月


右上の前歯が変な方向に生えてきているので部分ワイヤー矯正開始


開始28か月




開始36か月


それでも右上犬歯が生える隙間がないので全部ワイヤー開始

開始48か月


矯正終了

6年生になりました


このように床矯正だけで治る子は少ないです。ワイヤー矯正が必要な場合がほとんどです。

しかし、非抜歯で矯正できる可能性が高くなります